7月ではない嘘や煌めき

寝起きの唇は乾燥しているからリップクリームをつけたい。
君にキスをされたその唇は一瞬潤ったよ。

今のわたしはとても汚くて、この文章はとても綺麗だ。
寝込んで落ち込んで気づいたら多摩川駅で降りていた。

電車が発車しますの合図。
重い腰をあげて降りようか迷う。
ドアが閉まります。で
反射的に降りてしまった。
向かうべきところは、もう決まっている。
ポツポツと雨が降っている 改札を降りたところにローソンがある。きっとここは神様に守られている街だから、コンビニはここくらいしかないのかなと思ってここのローソンでストロングゼロを買う。途中でレアな抹茶クッキーを見つけて 目の力が無くなる。ああ今日はもういいや。お腹が空いた。君と食べたラーメンは本当に美味しかった。汗をかいて途中で見られたくないと思った。後から行った河原でキスをされた。息がラーメンでごめん。なんのロマンもなくてごめん。でもお互いラーメンを食べている口だからなんとなくいいかなって思った。

そして私は今、多摩川を眺めながら、階段の1番上にちょこんと座り、右手にストロングゼロマンゴー味を、左手に黒い傘を差す。この黒い傘は、私だけを守っている。私だけに、捧げてくれている。橋が光ってる。大きいビルが並んでいる。マンションの灯りが光っていたら暗かったり無差別に並んでいる。彼はこの景色を見て生きてきたのか。私は、今見えているこの景色、今住んでいる、暮らしているこのくだらない人間たちに私の音楽を聴かせるのか、そんな覚悟があるのか、そしてこの景色を何年か前に彼が見たときに、同じことを思っていたのだろうか。
わたしにはまだ覚悟ができていないと思った。
毎日何かに追われている感覚。
ツイッターを見れば、みんな少しずつ進んでいて。わたしは止まっていて。焦っても焦らしても荒らしてもなにも変わらないのに。そんな自分に辟易して、人生に辟易して、右手にストロング缶だよ。そうゆうことだよ。
今日はとってもクズな日を過ごしたとして、明日からなんとかやるって思えてるはず。
そう思って、MAROちゃんは何処かへ旅立つ。わたしは旅人。途方にくれて誰も見つけられないほどの、旅人。
でも気づいたら、また此処に帰ってきてるよ。安心して、わたしは死なない。死なない