シュガーコート

 

少しずつ大人になってゆく。

少しずつ身体も心も変わってゆく私でも

根底は変わらないままだった。

3年前の日記を読んでも今と全く変わらない感情を綴っている。それなのにどうして私は立ち止まっているんだろうか

 

少しずつ春の気配がする それは私を虚しくさせた まだ踏み切りに留まったまま、赤いランプの点滅を必死に隠すことしか、今の私にはできなかった。甘い雨の匂いはなぜか愛おしく思えた。晴れることなんてなければいいと思えた まだまだ君が愛おしいままだ このままだとどうにかなってしまいそうで頭が痛い 眠ってしまったら忘れてしまうのがこわい これだから歳を取ることは本当にこわい 身体は単純で 脆いわたしは真正面から畳み掛けてくる障害物と立ち向かうことができない 本当は自分が1番わかってるのに 向き合うのがこわいんだあ 現状維持はいずれ衰退にしかならない だから人々は進化し続ける、挑戦し続ける必要があるのに どこかで見た その通りだと思った それってこわい 何もできなかった日を誰も肯定してくれない 宇宙すらが目の先に見える 遠のいてみえる 追いつけない どこにも追いつけないんだ 君の胸に飛び乗ることができたならどんなにいいだろうなあ それだけで何もかも報われてたらどんなに幸せで 安心できるだろうか そんな弱音を吐いては明日もやってくるよ 無言で身支度をするしか今の僕にはできないよ パンは焦がしたら苦いから お砂糖はかけすぎたら甘いから シュガーコートしながら生きている 上手に隠し続ける シュガーコート

 

報われますように )